見落としがちな防災対策|災害時、ペットのトイレはどうする?
- 名古屋市獣医師協同組合

- 12月15日
- 読了時間: 5分
災害時、ニオイと衛生トラブルを防ぐために、今できること

災害は、いつ起こるかわかりません。
ペットのために
フードや水を備えている方は多いと思います。
でも、
「トイレの備え」まで考えていますか?
過去の災害では、断水によって水洗トイレが使えなくなり、
ニオイや不衛生な環境が深刻な問題になりました。
これは人だけでなく、
ペットにとっても大きな負担 になります。
今回は、
災害時に起こりやすいペットのトイレ問題 と、
飼い主さまが今からできる現実的な対策 についてお伝えします。
|災害時、ペットのトイレが深刻な問題になる理由
災害が起こると、まず起きやすいのが断水です。
断水が起きれば、水洗トイレは使えません。
人の場合でも不便ですが、
ペットの排泄物処理はさらに難しくなります。
避難所や在宅避難では、
・動物が苦手な方
・アレルギーを持つ方
・高齢者や子ども
など、さまざまな人が同じ空間で生活します。
・ニオイが広がる
・排泄物が処理できない
・衛生状態が悪化する
こうした状況は、
トラブルの原因になりやすい のが現実です。
飼い主さまには、
平時以上に厳重な排泄物管理が求められます。

|災害時に必要なのは「水を使わない処理」という考え方
災害時のトイレ対策で重要なのは、
「理想」ではなく 実際に使えるかどうか です。
・水が使えない
・洗えない
・流せない
この状況で必要なのは、
”水を使わずに処理できる方法を持っておくこと。”
排泄物を
そのままにしない
ニオイを広げない
安全に処理する
この視点が、防災ではとても重要になります。
|ニオイ・菌・見た目のストレスを減らす工夫
ニオイを閉じ込めることの重要性
災害時、ニオイは想像以上にストレスになります。
特に避難所や車中泊など、
密閉された空間では深刻です。
排泄物のニオイを
外に広げない工夫 が、周囲への配慮にもつながります。
菌の増殖を抑えるという視点
不衛生な状態が続くと、
菌の増殖や感染症リスクも高まります。
特に、
断水時は手洗いや清掃が十分にできません。
最初から
菌が増えにくい処理方法を選ぶことが大切です。
見た目の不快感を軽減する工夫
排泄物が目に見える状態は、
精神的な負担も大きくなります。
見た目の不快感を抑えることも、
避難生活を乗り切るための大切な要素です。

|ペットのトイレ対策 実践アイデア
ペットシーツが足りなくなった場合
ダンボールやバケツにビニール袋をかぶせ、
新聞紙などを敷きます。
その上で、
水分を処理できる準備をしておけば、
簡易トイレとして利用できます。
使用済みシーツ・排泄物の処理
吸収しきれなかった尿や、
ニオイが気になる排泄物には、
・水分を固める
・袋に入れて密閉する
という対応が効果的です。
水が使えない状況での衛生管理
食器やトイレ周りの汚れも、
水を使わず処理できる方法があると安心です。
水を節約しながら、
清潔を保つ工夫が求められます。
|ペット防災は「トイレ+日頃の備え」が大切
防災用品を揃えるだけでなく、
日頃の準備も欠かせません。
・ケージやキャリーに慣れさせておく
・迷子対策(マイクロチップ)
・同行避難の現実を理解しておく
こうした備えが、
いざという時の行動を支えてくれます。

|トイレ対策として知っておきたい「現実的な選択肢」
ここまで読んで、
「水を使わず処理する方法が必要だ」
と感じた方も多いと思います。
そこで知っておきたいのが、
水分を固めて処理する凝固剤 という選択肢です。
人の災害対策から生まれた「ポッティ」
「ポッティ(POTTY)」は、
人の災害用トイレや介護現場向けに開発された
水分凝固剤です。
特徴は、
・排泄物の水分をすばやく固める
・ニオイの発生を抑える
・菌の増殖を抑制する
・水を使わず処理できる
という点。
この仕組みは、
ペットの防災対策とも非常に相性が良い と言えます。

ペット防災に向いている理由
ペットの排泄は、
・量が一定でない
・急な体調変化がある
・ニオイが出やすい
という特徴があります。
ポッティのような凝固剤があれば、
・尿や嘔吐物をその場で固められる
・ニオイを広げにくい
・袋に入れて安全に処理できる
ため、
避難所・在宅避難・車中泊など、
さまざまな場面で役立ちます。

▶ 災害用水分凝固剤「ポッティ」について詳しく見る
|まとめ:トイレの備えは、ペットへの思いやり
災害時のトイレ問題は、
衛生面だけでなく心の余裕にも直結します。
ポッティのような凝固剤を
防災備蓄に加えておくことで、
ペットも飼い主も、
落ち着いて行動しやすくなります。
できるところから、
今日から少しずつ見直してみてください。
|トイレの備えと一緒に「情報の備え」も
災害時は
どこへ避難すればいいのか
ペットと一緒に行ける場所はあるのか
といった情報が分からず、
不安や判断の遅れが生まれがちです。
名古屋市獣医師協同組合では、
ペットと暮らす方のための
防災・共生アプリ「FAV」を提供しています。
ペット同行避難所情報や
防災・感染症に関する情報を
日常から確認できます。
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